賃貸マンションを建築することは土地の有効活用と言えるのか?part.1 | 誠和不動産販売株式会社
賃貸マンションを建築することは土地の有効活用と言えるのか?part.1
著:金成明洋 2014年9月更新
日本では、土地を持っているだけで次のような税金(コスト)がかかります。
●不動産を購入した時→不動産取得税・登録免許税
●不動産を持っている時→固定資産税
更に土地を利用せず空き地にしていると、土地に対する税金の優遇が何一つありません。
固定資産税を例にとると、空き地にしている土地に比べて住宅用として利用している土地は標準課税が
1/6に圧縮でき固定資産税が安くなります。
また、相続税においても優遇はなく、相続時の時価で相続税が課税されることになります。
そこで、バブル時代から現在に至るまで「借金をして賃貸マンションを建設しましょう」など、
ハウスメーカーの営業マンにありがちなセリフですが、土地を活用することが流行しています。
そこでこの度のコラムから数回に分けて「土地を有効に活用する」ことが本当に正しいことなのか、
検証したいと思います。
なぜ賃貸マンションの建築が流行しているのか?
土地の有効活用と聞いて最も先に思いつく手法が「賃貸マンションの建築」であると思います。
特に昨今の消費増税による駆け込み需要等時代背景も追い風か、大手ハウスメーカーはCMでも頻繁に見受けられます。
賃貸マンションを建築することは、主に次の税金に節税効果が表れます。
(1)相続税対策
(2)所得税対策
(3)固定資産税対策
(1)相続税対策
土地を更地にしておくよりも、次のように相続税を減らす効果があります。
①土地の相続税評価額が2割引きになる
賃貸マンションを建設すると、相続税法では土地を「貸家建付地」として評価をすることができます。
土地を更地にしておくよりも土地の相続税評価額は概ね2割引きとなりますので、相続税対策となります。
②建物の相続税評価は現金よりも6割引きになる
現金の相続税評価額は、現金の価値そのものです。
しかし、現金を使って賃貸マンションの建物を建設しますと、建物の相続税評価額は、
現金で持っているときよりも概ね6割引となります。
そのため、相続税対策となります。
(2)所得税対策
土地は持っているだけで税金(コスト)がかかります。
土地を持っているときは、固定資産税という税金(コスト)がかかりますが、土地を利用していなかったり
空き地にしていると、この固定資産税は経費になりません。
利用していない土地に賃貸マンションを建設し、家賃収入を生み出す「事業」として土地を利用したときは、
この固定資産税は経費となります。
また、賃貸マンションを建設するために借り入れをした場合、この借入の利息も経費となります。
さらに、賃貸マンションの建物部分は、減価償却費として経費に落とすことができます。
不動産の収入は不動産所得として、所得税の課税対象となります。
もし、不動産所得が赤字になれば、事業所得や給与所得などと損益通算をすることができます。
その結果、所得税を節税することも可能となります。
(3)固定資産税
土地を利用していなかったり空き地にしていると、土地に対する税金の優遇が何一つなく、
経費に落とすこともできません。
賃貸マンションやマイホームなど住居用の土地や建物に対しては、固定資産税が優遇されており、
最大1/6まで優遇されます。
そのため、賃貸マンションを建設することで、土地の固定資産税を減らす効果があります。
そのため、賃貸マンションを建設することで、土地の固定資産税を減らす効果があります。
今回のコラムでは「賃貸マンションを建築した場合の節税効果」について記載しました。
ご覧いただいたように、長年この手法が資産家に愛用?されているには一定の理由、
効果があることはご理解いただけたと思います。
次回は(1)相続税対策をケーススタディ等をもとに掘り下げて説明します。