瑕疵担保責任について | 誠和不動産販売株式会社
瑕疵担保責任について
著:誠和不動産販売 2021年5月更新
新築住宅は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、住宅の品質確保の促進、消費者の利益保護、紛争の円滑な解決を目的とし、新築住宅の基本構造部分(柱や梁等の主要部分)の瑕疵担保責任を10年間義務づけています。
瑕疵とは
そもそも「瑕疵」とは欠点・欠陥のあることを意味します。
瑕疵には様々なものがあり「法律行為における意思表示の瑕疵」「売買の目的物の瑕疵」「土地工作物の設置・保存の瑕疵」「占有における瑕疵」などが問題とされます。
例えば、法律行為の意思表示において、詐欺・脅迫によってなされたものは「瑕疵ある意思表示」として取り消すことができるとされています(民法96条)。 また、売買の目的物にかくれた瑕疵があった場合、買主は売主に対して損害賠償の請求ができるとされており、そのために売買の目的を達成できないときには契約を解除することができるとされています(民法570条)。
不動産を取引する場合の売買契約においても、民法のこの条文が適用されます。民法どおりの解釈では、『善意・無過失である買主が「隠れた瑕疵」を発見した場合、買主が瑕疵を知ってから1年以内であれば、売主に対して「瑕疵担保責任」を追及できる』ということになります。「買主が瑕疵を知ってから1年以内」という期間の定めは、そもそも期限が無いようなもので、売主にとっては非常に大きな負担となりますし、そもそもいつ発生した瑕疵なのかという議論にもなります。従って現実の不動産売買契約においては特約という形で、売主が「瑕疵担保責任」を負う期間等を定めることが一般的になっています。
実際問題として、一般の中古住宅では引き渡し後1~3ヶ月程度の期限を定めることが多く、とくに古い物件では「瑕疵担保責任を負わない」とする例も多く見られます。
一方、売主が宅地建物取引業者の場合は、中古住宅の場合でも最低2年間は瑕疵担保責任を負わなければならず、「瑕疵担保責任を負わない」とする特約や、2年未満の期限を定める特約は無効とされ、民法の原則が適用されます。
新法の内容
●住宅瑕疵担保責任保険法人の指定(施行日 平成20年4月1日)
改築や建て替えの費用を補償し、欠陥住宅の購入者を保護するための保険を提供する保険法人の指定。
平成20年5月12日、「(財)住宅保証機構」と「住宅あんしん保証」の2法人が指定されています。
●紛争処理体制の整備(施行日 平成20年4月1日)
住宅瑕疵担保責任保険が付された住宅の売主と買主との間で紛争が生じた場合、消費者保護の観点から専門の紛争処理機関において、適切で迅速な紛争処理が受けられる体制の整備。
●「供託」または「保険」の義務づけ(施行日 平成21年10月1日)
新築住宅の売主等に対して、保険の加入や保証金の供託といった瑕疵担保責任を履行するための資力確保を義務づけます。
施行日以降に引き渡される新築住宅はマンションや戸建等全てが対象となります。
まとめ
新築分譲住宅も含め、全ての新築住宅に対して住宅瑕疵担保責任は義務付けられています。瑕疵担保責任期間は住宅の引き渡しから10年間ですが、補修や損害賠償を請求するためには、瑕疵を発見してから1年以内に権利を行使する必要があります。
そのため、住宅の瑕疵を発見した際は、早急に対処するよう心掛けましょう。