生前贈与が使えなくなるかもしれません | 誠和不動産販売株式会社
生前贈与が使えなくなるかもしれません
著:金成 明洋 2022年11月更新
著:金成 明洋 2022年11月更新
令和3年の税制大綱から2年連続で「生前贈与」の見直しを検討すると示されています。
また令和4年10月21日開催の税制調査会では、相続税・贈与税に関する専門家会合も開かれました。
早ければ令和5年度税制改正での見直しとなるかもしれません。
1. 生前贈与とは
生前贈与とは、生前に後継者に対して財産を承継させることをいいます。
仕組みとしては「暦年贈与」と「相続時精算課税」が用意されていますが、今回のコラムでは暦年贈与について掘り下げて解説を致します。
2. 暦年贈与について
年間(1月1日から12月31日まで)に受けた贈与額が110万円以下である場合、贈与税が発生しないという仕組みを用いた贈与の方法です。非課税で毎年110万円を移せることから、相続税対策に有効です。
注意点としては「相続開始前3年以内の贈与は相続税がかかります。」
つまり、亡くなる1年前に110万円の贈与をしていたとしても、相続税の計算をするとき、その110万円は故人の相続財産として計上されてしまいます。
3. 生前贈与廃止の背景
人生100年時代と言われておりますが、被相続人が高齢で亡くなった場合、相続人も高齢であり、経済活動を支える若い世代に、より早い段階で財産を移せるようにしようという事から廃止の話が始まっています。
若い世代に財産を移すという事を考えた場合は、生前贈与でも有効な手段ですが、政府はもう少しダイナミックに考えており、相続と贈与の一体化を目指しています。
「相続で財産を移しても、贈与で財産を移しても、かかる税金を同じにする」という事です。
現在は、暦年贈与110万円までは非課税ですが、相続税贈与税が一体化された場合は、暦年贈与も廃止され節税ができなくなります。
4. まとめ
毎年12月の中旬に税制大綱が発表されますが、相続税贈与税の一体化については今後の財産移転の考え方に大きな影響を与えます。
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