空家問題解決へ一歩前進【空家等対策の推進に関する特別措置法案成立】 | 誠和不動産販売株式会社
空家問題解決へ一歩前進【空家等対策の推進に関する特別措置法案成立】
著:金成明洋 2015年1月更新
著:金成明洋 2015年1月更新
「空家等対策の推進に関する特別措置法案」(以下、空き家対策特別措置法)が国会解散直前の11月19日に駆け込みで成立しました。
昨今報道でも大きく取り上げられており認知度も高まっておりますが、国としても急務な課題と認識している結果だと思われます。
この度のコラムではどういった法律なのか、それによって空き家は減るのかを検証してみようと思います。
【空き家の対策を法律で規定する理由とは?】
総務省の「2013年住宅・土地統計調査(速報集計)」によると、全国の住宅に占める空き家の割合は2013年10月時点で13.5%、
820万戸に上り、年々増加しています。
地方だけでなく、都市部でも空き家は増えており、管理が不十分な空き家が防災や防犯の問題、衛生上の問題、景観の悪化などの
諸問題を引き起こしています。
地域住民の安全を考慮して、地方自治体では空き家の管理条例などを制定して、対応を急いでおり、空き家の管理条例は全国で303条例あり、このうち「行政代執行」を規定している条例は 177 条例と半数を超えているといわれています。
空き家といえども個人の財産なので、条例などによって所有者に適切な管理の勧告や命令を行うことになりますが、
それでもなお適正な管理が行われない場合も多い現状です。
放置されたままでは地域住民の安全が損なわれると判断された場合は、地方自治体などの行政機関が所有者に代わって撤去するなどの必要があり、それが「行政代執行」といいます。
こうした問題のある空き家の適切な管理を強く促し、倒壊の恐れがある空き家を撤去することなどを地方自治体が行いやすくするには、国が法的な根拠を提示して支援する必要がありました。
「空き家対策特別措置法」成立には、こうした背景があります。
【法律で空き家の対策はどう変わる?】
「空き家対策特別措置法」の狙いは2つあり、1つがこれまで説明してきた問題のある空き家への対策です。
法律で問題のある空き家を「特定空家等」と定義して、市町村が空き家への立入調査を行ったり、指導、勧告、命令、行政代執行(所有者が命令に従わない場合や所有者が不明な場合)の措置を取れるように定め、所有者が命令に従わない場合は過料の罰則を設けています。
また、相続などで空き家の所有者が分からないという課題については、固定資産税などの課税のための個人情報を必要な範囲において利用できるようにも定めており、
これにより今まで所有者が分からず接触出来なかった空き家所有者を追跡出来るようになりました。
もう1つの狙いは、活用できる空き家の有効活用です。市町村に、空き家のデータベースを整備し、空き家や空き家の跡地の活用を促進することを求めています。
同時に、これらのことが確実に実行されるには、国が基本方針を定め、それに応じて市町村がそれぞれ空き家に対する方策を立てる必要があります。
空き家対策の実施に必要な費用についても、国と都道府県が市町村に補助をするなど財政上の措置も必要となります。
「空き家対策特別措置法」は成立しましたが、施行は「公布の日から起算して3カ月以内に政令で定める日から施行」などとなっており、少し先となります。
国土交通省では、問題のある空き家の判断基準などのガイドライン作成に乗り出す一方、今回法案に盛り込まれなかった、固定資産税の減額(※)についても見直しを検討しています。
時間はまだかかると思われますが、空き家対策は着実に整備が進められているといってよいと思います。
(※)空き家を撤去し更地にすると固定資産税が従来の4倍から6倍に上がるため、空き家所有者も壊すに壊せない状態となってしまうと指摘されています。
そのような中、私どもも地元の防災、防犯の一助となりたく本年から空き家管理サービスを開始致しました。
詳細をご要望の方には資料送付致しますのでお気軽にお問合せ下さい。
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