遺留分の放棄について | 誠和不動産販売株式会社
遺留分の放棄について
著:金成 明洋 2021年11月更新
著:金成 明洋 2021年11月更新
1.はじめに
遺産を相続させたくない相続人がいる場合、法定相続人が最低限もらえる遺産の遺留分を放棄するためには、被相続人の生前に家庭裁判所の許可が必要です。相続人の生前に、家庭裁判所の許可のない念書などを書かせても法的な効力はありません。
今回は、被相続人の生前と死後に分けて、遺留分放棄の方法や家庭裁判所で許可されるための要件などを解説します。
2.生前の遺留分放棄には家庭裁判所の許可が必要
被相続人が存命の場合(生前)、遺留分を有する相続人は、家庭裁判所の許可を得なければ遺留分を放棄することができません(民法1049条)。
なぜ家庭裁判所の許可が必要なのかというと被相続人の生前には、被相続人から遺留分を有する相続人に対して、遺留分の放棄を迫るなどの「不当な干渉」が行われる可能性があるためです。
「遺留分の放棄」とは別に、「相続放棄」という制度があります。上記のとおり、遺留分は家庭裁判所の許可を得ることで被相続人の生前にも放棄できますが、相続放棄は被相続人の生前には一切できません。「遺留分の放棄」と「相続放棄」は別制度となりますので、注意が必要です。
なお、 相続放棄をさせるには、被相続人の「死後」に、家庭裁判所に相続放棄の申し述べをしてもらうしかありません。
3.生前の遺留分放棄が認められる基準とは?
一般的には、遺留分の放棄を許可する判断基準として、下記の3点が挙げられています。
(1) 遺留分の放棄が自由な意思に基づいているかどうか
(2) 遺留分を放棄する理由に合理性があるかどうか
(3) 放棄の代償が支払われているかどうか
なお、遺留分の放棄は、一度認められるとその後、放棄の取り消し(撤回)は簡単にはできなくなります。
4.遺留分を放棄しても相続権はなくならない
これまで説明してきた「遺留分の放棄」というのはあくまでも遺留分を放棄するもので、相続権を放棄するものではありません。
そのため、遺留分を放棄しただけであれば、相続権は失われていない以上、その相続人は、法定相続分に相当する遺産を取得できます。そのため、特定の相続人に財産を一切相続させたくないのであれば、遺留分の放棄をさせるだけでなく、遺言書を作成することが不可欠です。
5.まとめ
将来の相続(争続)トラブルを避けるためには、生前に「遺留分放棄」「遺言書の作成」「生前贈与」などの方法を組み合わせて早めに備えておくことが肝要です。
弊社では相続に詳しい提携弁護士による無料相談(初回)を受け付けております。
ご興味のある方はお気軽にご相談下さい。
遺産を相続させたくない相続人がいる場合、法定相続人が最低限もらえる遺産の遺留分を放棄するためには、被相続人の生前に家庭裁判所の許可が必要です。相続人の生前に、家庭裁判所の許可のない念書などを書かせても法的な効力はありません。
今回は、被相続人の生前と死後に分けて、遺留分放棄の方法や家庭裁判所で許可されるための要件などを解説します。
2.生前の遺留分放棄には家庭裁判所の許可が必要
被相続人が存命の場合(生前)、遺留分を有する相続人は、家庭裁判所の許可を得なければ遺留分を放棄することができません(民法1049条)。
なぜ家庭裁判所の許可が必要なのかというと被相続人の生前には、被相続人から遺留分を有する相続人に対して、遺留分の放棄を迫るなどの「不当な干渉」が行われる可能性があるためです。
「遺留分の放棄」とは別に、「相続放棄」という制度があります。上記のとおり、遺留分は家庭裁判所の許可を得ることで被相続人の生前にも放棄できますが、相続放棄は被相続人の生前には一切できません。「遺留分の放棄」と「相続放棄」は別制度となりますので、注意が必要です。
なお、 相続放棄をさせるには、被相続人の「死後」に、家庭裁判所に相続放棄の申し述べをしてもらうしかありません。
3.生前の遺留分放棄が認められる基準とは?
一般的には、遺留分の放棄を許可する判断基準として、下記の3点が挙げられています。
(1) 遺留分の放棄が自由な意思に基づいているかどうか
(2) 遺留分を放棄する理由に合理性があるかどうか
(3) 放棄の代償が支払われているかどうか
なお、遺留分の放棄は、一度認められるとその後、放棄の取り消し(撤回)は簡単にはできなくなります。
4.遺留分を放棄しても相続権はなくならない
これまで説明してきた「遺留分の放棄」というのはあくまでも遺留分を放棄するもので、相続権を放棄するものではありません。
そのため、遺留分を放棄しただけであれば、相続権は失われていない以上、その相続人は、法定相続分に相当する遺産を取得できます。そのため、特定の相続人に財産を一切相続させたくないのであれば、遺留分の放棄をさせるだけでなく、遺言書を作成することが不可欠です。
5.まとめ
将来の相続(争続)トラブルを避けるためには、生前に「遺留分放棄」「遺言書の作成」「生前贈与」などの方法を組み合わせて早めに備えておくことが肝要です。
弊社では相続に詳しい提携弁護士による無料相談(初回)を受け付けております。
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