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令和6年3月1日から戸籍謄本等の広域交付制度開始

令和6年3月1日から戸籍謄本等の広域交付制度開始
著:金成 明洋  2024年7月更新

 1. はじめに 

相続が発生したときは、不動産の名義変更、税務署での相続税申告、金融機関での手続きをする際には、亡くなった方の出生から死亡するまでの戸籍謄本を取得し、相続人とのつながりを証明する必要があります。
今までは戸籍謄本の取得は本籍地を管轄する市区町村に請求しなければならないため、亡くなった方の本籍地が複数移転している場合には、繰り返し相続人を証する資料、郵便局で定額小為替を購入し、返信用封筒を同封のうえ郵送で取り寄せなければいけませんでした。

この手続きが相続人に大きな負担を強いるということで、最寄りの市区町村でまとめて請求できるようにした制度が「戸籍謄本等の広域交付制度」です。



 2. 戸籍謄本等の広域交付制度とは 

令和6年3月1日からは、最寄りの市区町村で配偶者、直系尊属(父母、祖父母)、直系卑属(子、孫)の戸籍謄本が取得出来るようになりました。

 ポイント1 

必ず市区町村窓口に出向かなくてはいけません。
※郵送や司法書士、弁護士など代理人による請求はできません。

 ポイント2 

顔写真付きの身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)の提示が必要です。

 ポイント3 

法務省の戸籍情報連携システムを介して請求するため、コンピューター化されていない戸籍謄本は取得できません。



 3. 取得できない戸籍 

①戸籍抄本、除籍抄本

戸籍抄本、除籍抄本とは、記載されているなかの1人の情報を抽出した証明書のことです。

②戸籍の附票

戸籍の附票とは、その本籍地に本籍を置いている間の住所地の変遷が記載されています。



 4. まとめ 

令和6年4月1日から相続登記の義務化がスタートしているため、その前段階で相続人の負担を軽減する目的で創設された制度です。
注意するべきポイントはありますが、本籍地以外の市区町村でも一括して戸籍謄本が取得できるため戸籍の収集は非常に便利になりました。

 

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