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今後のローン金利は、上がる?凄く上がる?

今後のローン金利は、上がる?凄く上がる?
著:金成 明洋  2023年2月更新


 1. はじめに 

アメリカや欧州諸国などでは、過熱したインフラを抑えるために、大幅に利上げをしていますが、日本は金融緩和政策により歴史的な低金利が続いています。
※2022年1月時点ではアメリカや欧州諸国の政策金利は、ほぼ0%でしたが昨年12月時点でアメリカは4.5%、欧州ユーロ圏2.5%、イギリスは3.5%、日本は-0.1%です。

そのような中、昨年(2022年)12月に開かれた金融政策決定会合で日本銀行は、金融緩和政策の方針を変更し、事実上の利上げをしました。仮に金融緩和政策が変更となった場合には、今後の住宅ローン金利は上昇しますが、どれくらい金利が上がるのかについて考察します。



 2. 日本銀行(日銀)の政策転換?の影響(固定金利) 

昨年12月に開かれた金融政策決定会合で、日銀は「長期金利の変動幅を±0.25%程度」から、±0.5%程度に拡大する」ことを決めました。
長期金利の代表的な指標は「10年国債」です。
いままで日銀は10年国債の金利がゼロ程度で推移するようにコントロールしていたのですが、それを引き上げた事になります。
住宅ローンの「固定金利」は10年国債と連動するため、日銀の政策転換?により固定金利は上昇します。

【 10年国債金利の推移 】

 ● 令和4年11月15日 0.259%
 ● 令和4年11月30日 0.276%
 ● 令和4年12月15日 0.289%
 ● 令和4年12月20日 0.432%
 ● 令和4年12月30日 0.454%



 3. 日本銀行(日銀)の政策転換?の影響(変動金利) 

結論から申し上げると、変動金利については、本年中に急上昇するとは考えづらいです。
まず、住宅ローンの変動金利は、「短期金利」をもとに決まるため、長期金利の影響は受けません。
短期金利は、日銀が決める「政策金利」の影響を受けます。
政策金利は、日銀が景気や物価を安定させるために調整する金利のことです。

昨年12月の金利政策決定会合では、長期金利の変動幅を拡大しつつも、政策金利は引き続き-0.1%に抑える「マイナス金利政策」を続けることが決まっています。日銀が目標とする「安定的な」2%の物価上昇が達成されない限り、変動金利は上昇しないと思われます。



 4. まとめ 

住宅ローン金利のうち、固定金利は多少上昇するものと思われます。
注視すべきは黒田日銀総裁の任期満了(本年4月)後に、新任の日銀総裁が金融緩和政策を継続するか否かというところです。
変動金利は少なくとも本年中は上がらないと思います。物価が安定的に2%程度上昇すれば、その時を迎えそうですが、現在の物価高は資源の高騰からくるもので、賃金上昇など国内の景気が良くなっての上昇ではありません。
変動金利の上昇は暫くは大丈夫なのではないでしょうか。


 

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