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旧耐震基準マンションの住宅ローン

旧耐震基準マンションの住宅ローン
著:誠和不動産販売  2022年1月更新


旧耐震マンションとは、その名の通り古い耐震基準で建築されたマンションのことです。
旧耐震基準と現在の耐震基準ではどこが異なるのか、記載していきます。

旧耐震基準とは、1950年に制定された「建築基準法」に基づく基準です。
「中地震」程度の揺れに「崩壊しない程度」の強さを基準として建築するよう求めています。中地震とは「概ね50年に1度起きる地震」であり、震度などで表されることはありません。ただし、これでは非常に分かりにくいため、専門家には建物の重量などで計算する係数があり、だいたいの震度で言えば震度5前後程度ではないかという認識です。「倒壊しない程度」ですので、建物にひびが入る程度の強度であれば、この基準に反するものではありません。

1978年の宮城県沖地震を受け、新しい耐震基準が設けられました。これが新耐震基準と呼ばれるものです。
新耐震基準では、旧耐震基準において「中地震で崩壊しない程度」とされていたものが、「中地震ではほとんど損傷しない(軽微なひび割れに留められる)程度」と、強化されたものが求められています。なお、旧耐震基準では想定されておらず基準がなかった「大地震」において、「倒壊しない程度」の強度を基準とすることになりました。大地震は「500年に1度」の規模の地震のことを言います。震度で言えば6~7程度を指すものと考えられています。2011年3月の東北地方太平洋沖地震(「東日本大震災」と呼称される)はマグニチュード9.0、最大震度は7であり、大地震と呼ばれる地震でした。


 旧耐震マンションの住宅ローン審査 

旧耐震基準のマンションでは、住宅ローンの審査に通過することが難しいと言われています。
 収入面では安定しており返済に問題がないが…と考える人も多いと思いますが、住宅ローン審査の基準は、借入する本人の返済能力だけではありません。住宅ローン審査では、担保となる不動産の評価を行います。 そして担保評価額の範囲内までしか融資をしないのが基本です。マンションの担保評価を銀行がどのように行うのかは銀行によって様々です。

一般的にマンションの担保評価は、周辺の同程度の物件の売価から、物件の築年数や構造によって評価額を加減して決定する方法が取られます。この際に旧耐震基準のマンションは担保評価の際に大きなマイナス要因になることが多いため、マンションの担保評価額がマンションの売価を割り込み、担保割れになってしまうことがあります。担保割れになってしまうと住宅ローンは担保評価額の範囲内までしか借りることができないため、自己資金がある程度ない人が住宅ローンで旧耐震基準のマンションを購入することは難しくなってしまうのです。


 旧耐震基準のマンションを購入したい時 

旧耐震基準のマンションは確かに住宅ローン審査に通過しにくいとは言えますが、必ずしも住宅ローン審査に通過することができないわけではありません。

1つ目の方法として、フラット35を利用することです。フラット35には独自の耐震評価基準が設けられています。
旧耐震基準のマンションでも、フラット35の耐震基準を満たし適合証明書を取得することができれば、住宅ローンを借りることができます。
2つ目の方法は、複数の銀行に申し込むことです。先に述べたように、銀行によって不動産担保評価の基準は異なり、旧耐震基準だから評価が大きく下がる所もありますが、旧耐震基準でも周辺の同規模のマンションと同じ程度の売価と評価することもあります。

旧耐震基準のマンションは担保評価額が売価よりも低くなる傾向があるため、審査に通過しにくいと言えますが「旧耐震基準の住宅ローンに融資しない」という基準を設けている訳ではないため、銀行によっては審査に通過できることもあります。しかし、担保評価額が低くなる旧耐震基準のマンションをフルローン+αで組むことは非常に難しいと言えるため、資金計画をしっかり立てた上で住宅ローンに申し込むようにしましょう。
 

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