不動産価格のヒミツ | 誠和不動産販売株式会社
不動産価格のヒミツ
著:金成明洋 2016年4月更新
通常、ひとつの物の値段には、ひとつの価格が決められます。ところが不動産の値段には、四種類もの価格があります。
本コラムを作成している現時点(3月10日)では、発表されておりませんが、恐らく3月中旬の報道などで「公示地価発表」「都心部地価上昇」と、世間を賑わせているものと思われます。本コラムでは、不動産の代表的な価格である「公示地価」も含め不動産価格について解説します。
実勢価格
市場において実際に取引が成立した価格のことです。
取引がない場合には、周辺の取引価格から推定されます。我々不動産業者は、不動産売却の査定依頼を不動産所有者から依頼された際は、近隣での成約事例をもとに、対象不動産の「立地条件」「広さ」「建物の状態」などの個別要因を鑑みて、想定される実勢価格を提示します。
ちなみに不動産広告に記載されている価格は、売主の希望売却価格となり、実勢価格とは言えません。あくまで現実の取引が基準になります。
公示価格
地価公示法に基づいて、国土交通省が毎年3月中旬に示す土地の値段です。
その後に発表される「路線価」にも、公示地価を目安に算出されるため、土地の適正価格を判断する客観的な目安といえるでしょう。
実勢価格の90%程度の価格となる場合が多いようです。
路線価
国税庁が毎年7月1日に示す土地の値段です。
相続税や贈与税では、土地は路線価方式(または倍率方式)という方法で評価します。
一般的には実勢価格のおよそ70~80%になります。路線価は、公示地価などが敷地そのものについての価格なのに対して、一定距離の「路線」に対して価格を決めます。
例えば、ある路線に路線価が決められると、北道路でも南道路でも同じ面積であれば同じ価格となるため、我々不動産業者としては違和感を覚えますが、基本的にはその路線に面する宅地の価格はすべて同じになります。