相続税対策 -アパート建築により得られる節税効果- | 誠和不動産販売株式会社
相続税対策 -アパート建築により得られる節税効果-
著:金成明洋 2019年5月更新
相続税対策として、最もポピュラーな方法としてアパートの建築が効果的であることを耳にした方は多いと思います。
今回は、アパート建築をすることで相続税がどれくらい減税されるか計算例などを交えて解説します。
相続税減税の効果
アパート建築が相続税対策に優れている理由を理解するために、まず預金財産として1億円を相続した場合を想定してください。
預金財産の場合、そのままの金額が相続税の課税対象になるため、1億円の預金財産を相続した場合の課税対象額は1億円です。
① 土地の時価評価額=購入価格×80%前後
その一方で土地を相続した場合の課税対象額は、その土地の時価評価額(土地の購入価格の8割程度)になります。
つまりは1億円の預金財産を所有する被相続人が、生前に1億円の土地を購入することで、相続人に課せられる相続税の
課税対象額を、1億円×約80%=約8,000万円まで抑えることができます。
② 建物の時価評価額=購入価格×50%前後
建物を建築した場合、建物の時価評価額に対して相続税が課せられますが、建物の時価評価額は購入価格×50%前後となります。
1億円の預金財産を相続した方が、6,000万円で土地を購入、4,000万円で建物を建てた場合、土地への課税対象額は、
6,000万円×約80%=4,800万円、建物に課せられる課税対象額は、4,000万円×約50%=2,000万円になります。
つまりは、課税対象額が、合計で6,800万円になるということです。
③ 賃貸経営により課税対象額が安くなる
さらに賃貸経営(アパート経営)用に使用する建物の場合、課税対象額が安くなります。
【賃貸経営の場合の課税対象額】※一般的な住宅地の場合
土地の課税対象額=土地の時価評価額 × (1-借地権割合60%×借家権割合30%)
建物の課税対象額=建物の評価額 × (1-借家権割合30%)
(例)土地の購買価格が6,000万円、借地権割合60%、建物の建築費用が4,000万円、
建物の時価評価額を4,000万円×50%=2,000万円
とした場合の課税対象額は以下の通りです。
6,000万円 × 80% × ( 1-60% × 30% )+ 2,000万円 × ( 1-30% )
=4,800万円 × (100 / 100 - 6 / 10 × 3 / 10 )+ 2,000万円 × ( 100 / 100 - 3 / 10 )
=3,936万円 + 1,400万円 = 5,336万円
相続税の課税対象額が、1億円から5,336万円に圧縮され、アパート建築をする事により4,664万円も減額されたことになります。
仮に相続税率が30%の方の場合は、4,664万円×30%-700万円≒700万円もの相続税を減額することができます。
以上今回はアパート建築により得られる減税効果について解説をしました。
実際にご検討される方は、税理士とよく相談の上ご判断ください。