水道管はどこから? | 誠和不動産販売株式会社
水道管はどこから?
著:誠和不動産販売 2019年8月更新
普段何気なく使っている上水道。
23区では東京都水道局が給水を担っており、その水源は利根川水系・那珂川水系・荒川水系・多摩川水系・相模川水系と非常に多岐に渡ります。東村山市にある多摩湖と所沢市にある狭山湖も東京都の水源として使われていることで有名で、杉並の近くでは武蔵野市に境浄水場があります。
ちなみに、杉並区にも非常に小規模ですが現役の「杉並浄水場」が稼働中です。
善福寺公園に隣接する位置にありますが、日によっては稼働しない日もあるようです。
水道管は住宅街の道路の下を網羅しており、道路に埋設してある送水管は「水道本管」と呼ばれます。
通常は道路に埋設されたその水道本管から、住宅の目の前で引込管を分岐させてそれぞれの住宅に水道管を繋げているのですが、杉並区に限らず水道本管が埋設されていない道路も多くあるのが現実です。
道路に水道本管が無い場合、近くの道路の水道本管から住宅まで長い距離を引き込まなくてはならず、水道管の取替の際などで工事の時間や費用が嵩む原因ともなってしまいます。
また、遠距離から水道管を引き込んでいる場合は隣近所と同じ引込管を複数の住宅で共有している場合もあり、仮にその引込管を取り替える必要が出てきたときの工事の手間は想像に難くないものです。
水道本管が埋設されていない道路の場合、解決策のひとつとして「新しく道路に水道本管を埋設する」方法があります。
上水道は公営事業のため「陳情」(=お上にお願いする)することになり、大まかに下記のような流れとなります。
① 「陳情書」に埋設された水道本管を使うことになる人(受益者)全員の署名・捺印をもらう。
② 工事をする道路とその道路に接する土地の所有者全員から承諾書に署名・捺印をもらう。
③ 上記の陳情書と承諾書、必要書類を全て揃えて水道局に申請する。
④ 水道局で現地を調査し、受理又は不受理を決定する。
上記の流れで陳情が受理されて、ようやく水道本管の埋設に取り掛かれるようになります。
この中で一番ハードルが高いのは②の承諾書でしょう。
土地の所有者は必ずしも①の受益者とは一致せず、またその土地に住んでいないことも多々あります。
また、相続等により複数の共有者がいる場合はその全員の署名捺印が求められるなど、官公庁が相手とはいえそのハードルは決して易しいものではありません。
しかし、承諾さえ集めることが出来れば工事は水道局が行ってくれるため費用の負担もなく、時間はかかるものの水道本管を引き込むことによって将来交換が必要になった際のリスクや手間を解消出来るなど、得られるメリットは非常に大きいと言えます。