人生100年時代 ー 公的年金について ー | 誠和不動産販売株式会社
人生100年時代 ー 公的年金について ー
著:金成明洋 2020年6月更新
公的年金は終身でもらえ、物価が上がってインフレになってもある程度受給額を上げてくれます。
こうした仕組みは民間の保険商品ではありません。人生100年時代の最大の支えは、終身でもらえる公的年金といえます。
今回は、公的年金の国民年金と厚生年金の仕組みについて解説します。
公的年金の仕組み
日本の公的年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社員や公務員などが加入する「厚生年金」の2階建てになっています。公的年金は、人生のリスクを総合的に保障する仕組みです。
人生には、以下の3大リスクがあります。
● 老齢リスク ⇒ 長生きで老後資金が途絶えること
● 障害リスク ⇒ 病気や怪我で働けなくなること
● 死亡リスク ⇒ 一家の大黒柱が亡くなったときに遺族の生活を守ること
公的年金は、これら人生の3大リスクから生活を守るための「保険」です。
年金の本質は、誰かが人生のリスクに陥ったときのためにみんなが助けあう「保険」であることを忘れてはいけません。
働き方によって加入する年金が変わる
公的年金は「社会保険制度」のひとつなので、年金加入者は「被保険者」と呼ばれ、「第1号」「第2号」「第3号」の3つに分類されます。
日本年金機構や厚生労働省の開示を見ながら確認していきましょう。
「第1号被保険者」
自営業者や学生・無職などの20歳以上で、加入する制度は国民年金のみです。保険料は加入者全員が一律で、物価や賃金の上昇率などをもとに毎年決定されます。日本年金機構によれば、令和元年度(平成31年4月~令和2年3月まで)の月額は16,410円です。保険料の負担は原則59歳までで、65歳から亡くなるまで月額65,000円の基礎年金をもらえます。65,000円の満額をもらうためには、20歳から60歳までの40年間すべて保険料を納付しなければいけません。ただし、所得が少なく保険料を納められないという場合は、「免除」や「納付猶予」といった仕組みもあります。
「第2号被保険者」
第2号被保険者とは、会社員や公務員など国民年金に加えて厚生年金にも加入している人のことです。月給の18.3%を退職まで負担しますが、「労使折半」といって勤務先と被保険者が半分ずつ負担しながら支払う仕組みになっています。年金の受給額は収入によって異なりますが、厚生労働省によれば、平成30年度末の月額平均は約144,000円(基礎年金+厚生年金)で、亡くなるまでもらえます。
「第3号被保険者」
第3号被保険者とは、専業主婦(夫)など、第2号被保険者に扶養されている配偶者のことです。第1号被保険者と同じ国民年金の加入となりますが、保険料を支払う必要はありません。また第1号保険者と同じように、65歳から亡くなるまで月額65,000円が支払われます。
年金受給額はどれぐらいか?
厚生労働省が使ういわゆる「モデル年金」の例で、年金の受給額を考えてみましょう。
モデル年金とは、夫が厚生年金に加入して男性の平均的な賃金で40年間働き、その配偶者が40年間専業主婦であった夫婦に給付される夫婦2人の基礎年金と夫の厚生年金の合計額。厚生労働省による2020年度の公的年金の支給額(モデル年金)は月22万724円です。
ただし、これはあくまでもモデル世帯で自分の年金がいくらになるかを知りたい方は毎年誕生月に日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」をみれば概ねわかります。50歳以上の人は、今と同じ条件で60歳になるまで働いた場合の年金見込み額が記されています。ただし、50歳未満の人はこれまでの納付実績に応じた金額が載っているだけです。
より詳細に自分の年金の見込み額を知りたい場合は、日本年金機構が運営する「ねんきんネット」で確認ができます。ねんきんネットは、インターネットを通じて自分の年金情報を手軽に確認できるサービスです。ねんきんネットには「ねんきん定期便」に書かれているアクセスキーや基礎年金番号を使って登録できます。
まとめ
「老後2,000万円不足問題」などで資産運用の関心が高まっています。
将来年金の受給額が減り不足する分を安定資産である賃貸アパートなどを購入されても良いかもしれません。