確定申告期限延長 ~e-Taxのススメ~ | 誠和不動産販売株式会社
確定申告期限延長 ~e-Taxのススメ~
著:金成明洋 2021年3月更新
令和3年2月2日に国税庁から確定申告期限の延長が発表されました。
緊急事態宣言の期間が確定申告期間(令和3年2月16日~3月15日)と重なることを踏まえ、十分な申告期間を確保して確定申告会場の混雑回避を徹底することが狙いです。
今回のコラムでは、申告会場に行かず自宅にいながら確定申告が完了できるe-Taxについてメリット・デメリットをまとめてみます。
1. e-Taxとは?
「e-Tax」とは、国税庁が提供する国税電子申告・納税システムです。
2004年以前は、確定申告は紙の書類に記載して提出する方法しかありませんでしたが、「e-Tax」登場後は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成した電子申告データをそのまま提出できるようになりました。
2. e-Taxで確定申告をするメリット
自宅にいながら確定申告が完了
e-Taxでの第一のメリットは、インターネットで手続きが完了する手軽さです。
確定申告書類をプリントアウトして郵送もしくは持参する必要もなく、申告期間中は24時間いつでも提出可能です。
添付書類を省略できる
紙で確定申告をする際は、社会保険料控除証明書や医療費のレシートなどを添付する必要があります。
しかし、e-Taxで電子申告をすると、紙の申請では添付が必要な書類の提出が省略できます。
【 e-Taxを利用すると省略できる添付書類 】
● 給与所得者の源泉徴収票
● 年金受給者の源泉徴収票
● 社会保険料控除の証明書
● 生命保険料控除の証明書
● 地震保険料控除の証明書
● 住宅ローン控除の借入金年末残高証明書(2年目以降)
● 医療費控除の領収書
● 寄付金控除の証明書
● 特定口座年間取引報告書
● 雑損控除の証明書
ただし、各書類は5年間保管し、税務署から提出や提示を求められた際には応じる必要があります。
青色申告者は控除額が10万円アップする
国も電子申告を推奨しており、青色申告者は2020年度以降に電子申告で確定申告をすると控除額が10万円アップします。
2018年(平成30年)度の税制改定で、青色申告の特別控除額が変更されました。
2020年(令和2年)分の確定申告以降、青色申告特別控除額65万円が55万円に減額されます。
ただ、誰にでも等しく適用される基礎控除の金額は38万円から48万円に増額されるため差し引きは0です。
e-Taxで青色申告の手続きを行えば、この特別控除額は変わらず65万円になり10万円分の控除額アップにつながります。
還付のスピードが早い
還付される税金がある場合、紙での手続きと比較してe-Taxは還付のスピードが速いという特徴があります。
e-Taxで申告すると、通常3週間程度で還付が処理されます。対して書面提出では、還付まで1ヶ月〜1ヶ月半の時間が必要です。
3. e-Taxのデメリット
事前準備がやや手間
e-Taxをする前には、いくつかの事前準備が必要です。
● マイナンバーカードの取得
● 利用者識別番号の取得
● ICカードリーダライタの購入
● パソコンでe-Tax利用の環境を整える
まず、e-Taxを利用するためにはマイナンバーカードが必須です。
紙製の「マイナンバー通知カード」ではなく、ICチップ入りの「マイナンバーカード」が必要ですので、まだお持ちでない方は、地域の自治体でマイナンバーカードの取得を申請しましょう。
さらに、マイナンバーカードに対応しているカードリーダーを購入する必要があります。
最近ではスマートフォンでも読み取れるようになりましたので、対応機種をご確認ください。さらに、「マイナンバーカード方式」もしくは「ID・パスワード方式」のいずれかでe-Taxの利用登録を行い、利用者識別番号(ID)とパスワードを取得する必要があります。ID・パスワード方式はマイナンバーカード方式が浸透するまでの暫定的な方法のため、利用者識別番号(ID)にも3年の有効期限があります。
これらの準備を全て完了すると、e-Taxの利用開始準備が整います。
やや手間ですが、そこまで難しい作業ではありませんし、一度準備が整えば翌年以降は対応する必要はありません。
4. まとめ
昨年から新型コロナウイルスの影響で世の中が大きく変化しています。
今までの「当たり前」を少し変えてみると、以外に便利に思うこともたくさんあります。
毎年の確定申告についても、是非ともe-Taxを試してみて下さい。