住宅ローンの返済期間について | 誠和不動産販売株式会社
住宅ローンの返済期間について
著:誠和不動産販売 2021年3月更新
不動産の購入をする際、多くの方が住宅ローンを使って購入すると思います。
住宅ローンの返済期間は最長35年が多いのですが、借りる人の年齢は様々です。35年返済にすると、定年した後まで住宅ローンの返済が続く人もいるでしょう。そこで、今回は住宅ローンの返済期間についてです。
人生100年時代といわれるように、定年後の人生が長くなっています。
豊かな老後を送るためには、そのための貯蓄も必要です。退職金はそのまま老後資金に回すのが良いでしょう。そのためには、定年するまでに住宅ローンを完済することを考えましょう。40歳で35年の住宅ローンを組むと、完済年齢は75歳です。65歳で定年したとして、収入が年金だけになってから10年間も、住宅ローンを返し続けることになります。
こうした事態を避けるためには、
① あらかじめ返済期間を25年間にする
② 返済中に確実に繰り上げ返済をして、定年時までに完済する
のどちらかを検討する必要があるでしょう。
住宅ローンの返済期間は平均25.6年
住宅金融支援機構が金融機関に調査(「2017年度 民間住宅ローンの貸出動向調査」)したところによると、住宅ローンの貸出期間は平均で25.6年でした。ただし、借り換えの人が平均で25.9%いるため、全体的に返済期間が短めになっている点に留意が必要です。それでも「30年超35年以下」が13.1%であるのに対し、「25年超30年以下」が最多の40.6%ですので、最長の35年より短めに設定した人が多くいることが分かります。
返済期間を短くすれば利息削減効果も大きい
返済期間を短くすると、「毎月返済額が増える」「借りられる額が抑えられる可能性がある」などのデメリットもありますが、「完済までの期間が短くなる」だけでなく、「総支払利息が少なくなる」というメリットもあります。
具体的な例を見ていきましょう。
5,000万円を金利1.4%で固定して借りた場合(ボーナスなし、元利均等)で、返済期間を変えて毎月返済額(単位:円)と総返済額(単位:万円)を試算してみました。期間を短くするほど、毎月返済額は増えますが、支払う利息は減っていきます。毎月2万円弱頑張れば、35年から30年に短縮でき、約201.3万円の利息が削減できることになります。
それぞれのライフプランに応じた、返済期間を設定しよう
では、返済期間はどのように設定するのがよいのでしょうか。
返済期間の設定の仕方において、万人に共通の正解はありません。家庭の事情によって返済期間の考え方は変わるからです。
【 例 】 40代で住宅ローンを借りる場合
● 共働きで子供がおらず、家計に余裕がある場合、思い切って返済期間を定年年齢までに短く設定する選択肢が良いでしょう。
● 共働きで子供がまだ小さい場合、定年後までかかる返済期間を設定しておき、子供の教育費の負担が少ない時期に計画的に貯蓄をし、早めに 繰り上げ返済をおこない短縮化する選択肢が良いでしょう。
● 借りるタイミングで子供の教育費の負担が重くなる時期とバッティングする場合、定年後までにかかる返済期間を設定しておき、教育費に目途 が立ってから繰り上げ返済用の貯蓄をおこない、定年時までに完済する選択肢が良いでしょう。
まとめ
現在はライフプランが多様化しています。晩婚化・晩産化などの影響もあって、住宅取得が40代になったり、教育費の負担時期が変わってきています。それぞれの家庭のライフプランから収入と支出を想定して、無理のない返済計画を立てることが大切です。